西松建設株式会社 愛川技術研究所にて使用されている、実験装置を紹介するパネルを制作させていたしました。
「専門的な内容を、もっと親しみやすく、かつ深く伝えたい」 そんな想いからスタートしました。
研究開発の最前線で活用されている装置の役割や、そこに込められた研究者の方々の情熱を、イラストとデザインの力で「伝わる形」にするプロセスをご紹介します。
1. ご相談のきっかけ:硬くなりがちな専門知識を「自分事」に
今回のご依頼では、建築・土木の学生さんや自社の新入社員の方々をターゲットに、以下のような課題を解決したいというご要望をいただきました。
- 「何をやっているか」をより具体的に伝えたい(基礎知識はある層へ、一歩踏み込んだ内容を)
- 技術の幅広さと積み重ねをアピールしたい(「うちでも取り扱っているよ!」「過去の経験があるよ!」)
- 硬い内容をイラストで読みやすくしたい(興味を持って、細かい数字まで見たくなる仕掛け)
「なぜこの装置が私たちの生活に必要なのか」「実験のやりがいは何か」といった、スペックだけでは見えないストーリーを形にすることを目指しました。
2. インタビュー:グラレコで引き出す研究者の想い
実験装置の紹介に入る前に、まずはそれらを扱う「研究者の想い」を知ることからスタートしました。実際に愛川技術研究所へ伺い、グラフィックレコーディング(グラレコ)を活用したインタビューを実施しました。
【インタビューで深掘りしたテーマ】
- 研究開発の道を選んだきっかけ
- 研究をやっていて「報われた!」と思う瞬間、辛かったこと
- この研究によって社会はどう変わるのか
- 研究所を見に来てくれる人に、一番知ってほしいことは何か



リアルタイムで描かれていくグラレコを見ながら、「そうそう、そのイメージ!」「さっきの話と繋がるんだけど…」と、研究者の皆さんの想いを丁寧にうかがっていきました。
その後の見学では、実際に実験装置を拝見しながら詳しい解説をいただきました。実物や実験風景を直接目にすることで、装置が動くイメージやその役割をより深く理解することができました。
3. 制作のポイント:親しみやすさと情報の主役感
現地でのインプットと既存の資料をもとに、合計4枚のパネルを制作しました。
- 研究者の想いパネル(1枚) 「研究者ってどんなことを考えているんだろう?」という問いに対し、親しみやすさを第一に構成。研究者の人間味を感じてもらうことで、その後の装置紹介への興味を繋げます。
- 実験装置パネル(3枚) 装置そのものを主役にしつつ、研究に至る背景をイラストを交えて解説。文字情報を整理し、視線が自然に流れるような配置を意識しました。

4. 現場のプロと一緒に作り上げる
制作過程では、西松建設の研究者の皆様と「こうした方が読みやすいのでは」「ここを強調したい」とやり取りを重ねました。現場のプロならではの視点を反映し、納得のいく1枚を作り上げることができました。担当の方からは「当初の想定より遥かにいいものが出来た」という非常に嬉しいお言葉をいただきました。
おわりに
専門的な技術や複雑な想いを、イラストとデザインの力で「伝わる形」にする。専門知識を親しみやすさに変える『翻訳者』としての役割を再確認できた事例でした。
西松建設 愛川技術研究所の皆様、貴重な機会をありがとうございました!